「ろう勤王僧 宇都宮黙霖の生涯」の講演会を開催しました。

 3月18日(土)午後2時より熊谷ティアラ会議室で熊谷市障害者相談支援センター委託事業による講演会があり、広島県呉ろうあ協会会長の松岡雅之氏をお招きして「ろう勤王僧 宇都宮黙霖の生涯」を講演していただきました。
 この講演は、去年の6月9日(木)~6月12日(日)に広島で実施された第70回全国ろうあ者大会のパンフレットを見た熊谷市ろう者協会の会員がぜひ熊谷で講演にとお願いして実現しました。
 宇都宮黙霖は江戸末期の1824年に呉市で生まれ、15歳になってようやく学問の喜びを味わったと思ったら、わずか7年後には22歳で大病にかかって失聴した苦しみを乗り越え、その後、尊王倒幕思考を確立して3,000人におよぶ志士たちと筆談で尊王論を闘わせました。影響を受けた志士の中に吉田松陰や伊藤博文が入っていました。あの時代にたくましく生きた黙霖に感銘を受けました。
 松岡氏は宇都宮黙霖の生涯を多くの方に知ってもらおうと考え、第70回全国ろうあ者大会に間に合うように本の出版を企画しました。なんと3000冊も。また、映画化について、故人米内山さんとLINEで交わしたエピソードも交えながらお話していただきました。本の内容はわかりやすく書かれていて、しかも漫画が入っているので小学生でも読みやすい本になっていました。その本も、会場でサイン入りで販売され、好評でした。
 この講演がなかったら宇都宮黙霖という立派なろう者の存在を知らないままになっていただろうと思いました。(参加者21名)

【感想】
「宇都宮默霖とは誰なのか?」「どんな生涯を送ったのか?」を、広島県呉ろうあ協会会長松岡先生にわかりやすくお話しいただいた。不遇な幼少期を経て15歳から学問を始めた默霖は22歳で失聴。その後も筆談を通して全国を旅しながら、学問を続け、吉田松蔭、伊藤博文に影響を与えるほどの偉人となったとのこと。これほどの人が知られてないのはもったいない。呉市の手話言語条例に合わせて作られた書籍『默霖』や、制作途上の默霖についての映画などを通してもっともっとたくさんの人に知ってもらいたいと思った。